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総合診療に必要な初診病歴

病歴の聴き方は専門診療では簡単と思われます。それはパターン化しているからです。一方、総合診療では全身の症状・徴候がその対象となるため、かなりの時間を要します。患者さんの年齢が若ければ記憶力の低下はわずかで、かなり正確な病歴が聴取出来るでしょう。しかし、高齢になられ、自分の体の異常に注意していない方の病歴を正確に聴くことは困難となります。過去にかかった医療機関の名称や医師の氏名が分かっているなら積極的に病状を問い合わせて下さい。医師が把握している病状・病名は病歴を把握する上で骨格を形成してくれます。患者さんの記憶だけに頼った病歴は不正確なことが多く、中には以前に受けた手術のことも忘れておられることがあります。既往歴を聴取時に手術を受けた場合には、手術の原因となった病名、手術名、主治医の氏名、かかった医療機関の名称、科目名を訊いておきましょう。そうすることにより、病医院や医師の実力がある程度、把握出来、患者さんを紹介する時に参考となります。嗜好品や体重歴、転居を重ねておられる場合にはその場所なども聴いておくようにして下さい。また、初診日に身体診察と簡単な検査で初診時の治療方針を必ず、まとめて下さい。検査所見が判明した時に治療方針を変更しなければならないこともあると思いますが、変更した理由を考える習慣を付けると次からの初診病歴の聴き方が上手になると思います。

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